こんにちは!
神奈川県横浜市を拠点に交通誘導警備・イベント警備を行っております、株式会社イージス代表の吉岡忠です。
家族というのは最小単位の共同体であり、一緒に生活をするが故に最も結びつきの強い存在です。
最小にして最強の共同体。
身近過ぎるがゆえ、時に喧嘩をすることもあるでしょう。
嫌いになることもあるでしょう。
ですがそれを経験してさらに絆が強くなる、という面もあります。
一緒に暮らしていた頃は喧嘩ばかりしていたけれど、一人暮らしをしたり、結婚したりして離れて暮らして初めて家族の大切さに気付く。
誰にでも心当たりがある事ではないでしょうか。
かくいう私もそうでした。
両親と離れて暮らし、結婚をし、子どもが生まれ、自分の家族が出来て初めて、その大切さに気が付いたのです。
しかも、私の場合は離れて暮らしているといっても両親は『あの世』なので新幹線を使おうが飛行機を使おうが会いに行けないくらい遠い距離なのです(笑)
冗談はさておき。
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十年前、母が体調を崩した。
病院に連れて行くと、すぐに入院をしなければならないという。
医者から家族全員診察室へ呼び出され、母は治療困難な病だと告げられた。
投薬をしなければならないという。
手術をしなければならないという。
日に日にやつれて行く母の姿を見て、かわいそうだと思った。
今すぐこの生気を感じない陰気な病室から太陽のもとへ連れ出してやりたいと思った。
入院してから日に日に衰弱してゆく母。
何かがおかしいと思った。
余命2〜3ヶ月だという。
何かがおかしいと思った。
沢山の書物を読んだ。
やっぱり母に施されているのは治療ではないと解った。
知ったことを家族に話し、治療を止めさせようとしたら頭がおかしくなったと思われた。
そして母は様々な医療機械に繋がれたまま死んでいった。
血のつながりよりも現代医療を信奉する家族を恨みさえした。
私は母と同じように安易な『治療』にかからないよう懇願した。
しかし父は母と同じ病院に入院し、母と同じ治療を受け、母と同じ病室で亡くなっていった。
父の葬儀が終わり、我々兄弟の絆は少しだけ強くなった気がする。
程なくして妹夫婦に子どもが生まれた。
すれ違いのように新しい家族が誕生したのだ。
生まれたばかりの息子を初めてこの手に抱いた時、家族の大切さを知った。
同時に、両親が私たち家族の事をどれだけ深く愛してくれていたかを知り、涙が溢れた。
孫の顔を見せられなかった事、産んでくれてありがとうと言えなかった事を謝りたくてお墓参りに行った。
すぐに触れるような距離に居るうちは、その大切さには気が付かない。